ミシェル・ヴェルジュ Michel VERJUX
KENJI TAKI GALLERY
「光」を絵の具や粘土のような物質として扱い、照らし出された建築空間そのものを作品へと変貌させる、フランス現代アートを代表する光の彫刻家。
略歴
1956年、フランスのシャロン=シュル=ソーヌ生まれ。ディジョン国立高等美術学校で学んだのち、1983年にディジョンの現代美術センター「ル・コンソルシウム(Le Consortium)」の共同設立に携わる。同年より、自身の代名詞となる「エクレラージュ(Éclairages=照明・光の彫刻)」シリーズの制作を開始。現在はパリを拠点に活動し、パリ第1大学パンテオン・ソルボンヌで美術と芸術科学の教鞭も執っている。
- 「光の彫刻(Éclairages)」の確立
キャンバスや金属の代わりに「光そのもの」を表現媒体(メディウム)として使用。劇場用のプロジェクター(スポットライト)を用い、壁や床、天井に円や四角などの幾何学的な光を投影することで、非物質的でありながら圧倒的な存在感を持つ「彫刻」を空間に出現させる。 - サイト・スペシフィック(場所の固有性)
彼の作品は「In Situ(その場において)」であることを大前提としている。光が投影される壁の質感、部屋の角、階段の段差、扉の枠など、既存の建築構造が光によって切り取られ、光と空間が不可分なひとつの作品として完成する。作品は他の場所へそのまま移設することはできない。 - 「そこに在ること」の現象学
物語性や装飾を極限まで削ぎ落としたミニマルな光は、「何が描かれているか」ではなく「空間がどう見えているか」を観る者に問いかける。光の中を歩き、自らの影が壁に落ちることで、鑑賞者自身も空間と作品の一部に組み込まれる体験を生み出す。
作品
- 平面への投影:平らな壁面に真円や正方形を投影し、空間にぽっかりと浮かび上がる光の絵画のように見せるアプローチ。
- 空間の切断と接続:部屋のコーナー(入隅・出隅)や階段、柱などにまたがるように幾何学的な光を投影し、建築の形状を歪ませたり、新たな立体感を立ち上げたりするアプローチ。
- 複数投影による交差:複数のスポットライトの軌道を重ね合わせ、空間内に光の重なりやヴォリューム(量塊)を創り出すアプローチ。
コレクション・展示歴
- ポンピドゥー・センター(パリ)
- パリ市立近代美術館(パリ)
- MUDAM(ジャン大公現代美術館 / ルクセンブルク)
- ル・コンソルシウム(ディジョン、フランス)

ケンジタキギャラリー/ 東京での展示 2005年

ケンジタキギャラリー/ 名古屋での展示
2001年
