金 謹中(グンジュン・キム) Keun-Joong KIM
KENJI TAKI GALLERY
1955年、韓国生まれ。
韓国の弘益(ホンイク)大学および同大学院で東洋画を専攻したのち、台湾の中国文化大学大学院にて美術史の修士号を取得する。伝統的な水墨や彩色画の枠組みにとどまらず、1980年代後半から現代美術としての東洋画の可能性を模索し続けた。長年にわたり嘉泉(ガチョン)大学(旧:暻園大学)美術デザイン学部の教授として教鞭を執り、後進の育成にも貢献している。
- 伝統美術と現代アートの脱構築
東洋画の伝統的な画材や空間認識を出発点としながらも、キャンバスやアクリル絵の具など西洋の素材を積極的に導入した。土や顔料を幾重にも塗り重ねて削り出すような手法により、古い壁画(フレスコ)のような独特のマチエール(絵肌)を作り出す。 - 「牡丹(モラン)」の再解釈
近年の彼の代名詞となっているのが、富貴や繁栄の象徴である「牡丹(Peony)」のモチーフである。伝統的な民画に登場する牡丹を、蛍光色や原色に近いポップで強烈な色彩、そして奔放な筆致でカンヴァス全体に増殖させるように描き、古典的なモチーフを現代のポップアートや抽象表現主義の次元へと引き上げた。 - 「Natural Being(自然的存在)」への問い
作品群の多くは「Natural Being(本来のありのままの存在)」という一貫したテーマを持つ。初期の暗褐色やモノクロームを基調とした重厚で瞑想的な抽象画から、後年の生命力が爆発するような極彩色の花々のシリーズへの変遷は、「存在とは何か」「自然の根源的なエネルギーとは何か」という哲学的な問いの探求の軌跡である。
作品
- Natural Being(Flower / Peony)シリーズ
2000年代半ば以降に展開されている代表作。鮮やかで大胆な色彩の牡丹が画面を埋め尽くし、華やかさと同時に、生命の生々しいエネルギーや宇宙の循環を感じさせる絵画群。 - 初期・中期の抽象絵画(壁画的抽象)
1990年代から2000年代初頭にかけて制作された、土や顔料を厚塗りし、古代の記号や文字の痕跡、風化した壁面を思わせるミニマルで精神性の高い抽象作品シリーズ。
主なコレクション
- 韓国国立現代美術館(MMCA / 韓国)
- ソウル市立美術館(韓国)
- 湖巌(ホアム)美術館(韓国)
- 錦湖(クムホ)美術館(韓国) など

Natural Being
1993
石膏、顔料、銅板、パネル
162 x 130 cm ref. N99-4

Natural Being
1995
石膏、顔料、藁、パネル
162 x 130 cm ref. N99-6

Natural Being
1997
キャンバスにミクストメディア(銅、アクリル、顔料など)
162 x 130 cm
ref. N99-8

グンジュン・キム展
ケンジタキギャラリー東京での展示風景 / 2000年
