ピーター・ヴォーコス Peter VOULKOS
KENJI TAKI GALLERY
「アメリカ現代陶芸の父」と称され、それまで「工芸(クラフト)」の枠内にあった陶芸を「純粋芸術(ファインアート)」の域へと押し上げた。
略歴
1924年、アメリカ・モンタナ州生まれ。第二次世界大戦後に復員したのち、モンタナ州立大学で絵画と陶芸を学ぶ。1950年代にロサンゼルスのオティス美術研究所(現オティス・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン)やカリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)の陶芸科を牽引した。2002年没。
- クレイ・レボリューション(粘土の革命)
1950年代当時の「陶芸=実用的な器」という固定概念を完全に打ち破り、巨大で荒々しい、純粋な「彫刻(陶彫)」としての表現を確立した。 - 抽象表現主義との融合
当時ニューヨークを中心に席巻していた「抽象表現主義」の絵画(ウィレム・デ・クーニングやフランズ・クラインなど)から強い影響を受け、その即興性やダイナミズムを粘土の世界に持ち込んだ。 - 破壊と構築のエネルギー
ろくろで挽いたシリンダーや皿、球体を自らの手や木槌で引き裂き、叩き、再びつなぎ合わせるという、極めて身体的で直感的な手法をとる。意図的な裂け目や穴、不完全さをそのまま受け入れる作風は、日本の伝統的な焼き物(信楽や備前などの無釉焼き締め)の美意識や、北大路魯山人、濱田庄司らとの交流によっても深められた。 - 日本の薪窯(穴窯)への傾倒
キャリアの後半(1970年代末以降)には、陶芸家ピーター・カラスとの共同作業をきっかけに日本式の「穴窯(あながま)」による焼成を本格的に取り入れ、炎と灰が創り出す偶発的な表現を追求した。
作品
- スタック(Stacks):シリンダーなどを縦に豪快に積み上げた、記念碑的な巨大オブジェ。
- プラッター&プラーク(Platters / Plaques):円盤状の粘土に線刻を施し、穴をあけ、粘土の塊を埋め込んだ絵画的な大皿や壁掛け作品。
- アイスバケツ(Ice Buckets):バケツのような荒々しい筒状の造形シリーズ。
コレクション
- ニューヨーク近代美術館(MoMA)
- メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
- ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)
- ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)
- 東京国立近代美術館
- 京都国立近代美術館
- 愛知県陶磁美術館 など

Snowmass, 1995
109 x 72 x 69 cm

Cortez, 1995
113 x 77 x 71 cm
