鉄、硫黄、塩といった物質や、振動や体温など不可視のものを使った彫刻やインスタレーションで知られる村岡三郎(1928年大阪生まれ、現在滋賀県大津市在住)の個展。
今展では、《20本の酸素と20枚の鉛板》(1991年)ほか1990年代の代表的な立体作品を展示予定。
20本の酸素ボンベと20枚の鉛板が絨毯の上に整然と配置された《20本の酸素と20枚の鉛板》は、村岡氏の歴史観を反映した作品。
「20枚の鉛板に刻印された人名は、必ずしも熟慮の上選択したわけではない。しかしそれぞれ一本ずつの酸素と相対した時、それは等価であり、それを差異化する歴史性そのものを私は拒否する。」
鉛板に特定の基準なしに刻まれた名前は、
平将門、キリスト、ジョン・レノン、ピカビア、マラルメ、マホメット、則天武后、三木清、そして清三郎(自身の父親)、ムルソー(小説の主人公)などが含まれている。
村岡 三郎 (むらおか・さぶろう)
1928年 大阪府に生まれる。現在、滋賀県大津市に在住。
1990 「第44回ヴェネチア・ビエンナーレ」日本館に出品
1997 東京国立近代美術館・京都国立近代美術館にて回顧展「熱の彫刻ー物質と生命の根源を求めて」
1999 第40回毎日芸術賞受賞
主な展覧会(1999年以降)
1999 「感覚の解放」 東京オペラシティアートギャラリー(東京)
2000 「越後妻有アートトリエンナーレ2000」越後妻有6市町村(新潟)
2001 「横浜トリエンナーレ2001<MEGA WAVE>」(神奈川)
2002 個展「村岡三郎展」京都精華ギャラリーフロール(京都)
2002 「融点・詩と彫刻による」 うらわ美術館(さいたま)
2004 個展「美術の中のかたち - 手でみる造形」兵庫県立美術館(兵庫)
2004 「色の博物誌・黄 - 土の力&空の光」目黒区美術館(東京)
2005 「現代美術のABC〜アートはあなたのそばにある〜」福井市美術館(福井)
2006 「持続/切断」(所蔵作品展)東京国立近代美術館(東京)
2007 「消失点 - 日本の現代美術」ニューデリー国立近代美術館(ニューデリー、インド)他
2009 「Art Document 2009 」金津創作の森(福井)
2010 「ロボットと美術−機械×身体のビジュアルイメージ」青森県立美術館(青森)/島根県立石見美術館に巡回
2010 「釜山ビエンナーレ2010 Living in Evolution」(釜山市立美術館、韓国)
2011 「これは本ではない - ブックアートの広がり」うらわ美術館(さいたま)/福井市美術館(福井)
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